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矛盾を回避するため

偶像崇拝が禁止されているキリスト教の絵画が数多く残っている。矛盾する事柄ではありますが、その矛盾を回避するために、「神」の存在としてキリストを絵画のなかに描こうとする際には、キリストを「魚」として描くことでその存在を布教していたようなのです。

当時の絵画などを集めた画集などを目にしますと、キリストの存在は「魚」などのシンボルとして表現されていることが分かります。

また、その当時に描かれた絵画作品の多くに作者が署名を行わなかった理由としても、キリスト教の布教のために制作された作品であることから、作者が署名を行うことで個人に属するものであることを証明する必要性がみられなかったことを表しているようなのです。

時代とともに変化する美術作品の価値やあり方は、当時を生きた人びとの生き方や社会の特性を私たちに伝えてくれています。