実録画「ロマン主義」
19世紀の近代美術として「新古典主義」から「ロマン主義」への移行は、1789-1799年フランス革命ののちナポレオンの帝政を経て市民社会が生み出した美術様式であると考えられているようです。特色としては現実的、写実的な描写というよりは、現実離れしたような激情的な主題が多くみられ人間の内なる感情や狂気的な部分をも絵画作品として描き出されているようにみえます。著名な作品としてはドラクロア作「民衆を導く自由の女神」、ジェリコー作「メデュース号の筏」などがあげられます。ジェリコーの「メデュース号の筏」は実際に起こった海難事件をもとに漂流者が人肉を食して生き残ったという衝撃的な実話を描いた実録画として多くの人々の関心を集めたとされています。